Vercel AI SDK 6.x : 基礎 – 概要 / プロバイダーとモデル

AI SDK はサポートするプロバイダー間で人工知能 (AI) モデルの統合を標準化します。これは開発者が技術的な詳細で時間を浪費することなく、優れた AI アプリケーションの構築に集中することを可能にします。

Vercel AI SDK 6.x : 基礎 – 概要 / プロバイダーとモデル

作成 : Masashi Okumura (@classcat.com)
作成日時 : 12/28/2025
バージョン : ai@6.0.3

* 本記事は ai-sdk.dev/docs の以下のページを参考にしています :

* サンプルコードの動作確認はしておりますが、必要な場合には適宜、追加改変しています。
* ご自由にリンクを張って頂いてかまいませんが、sales-info@classcat.com までご一報いただけると嬉しいです。

 

 

Vercel AI SDK 6 : 基礎 – 概要

AI SDK は サポートするプロバイダー 間で人工知能 (AI) モデルの統合を標準化します。これは開発者が技術的な詳細で時間を浪費することなく、優れた AI アプリケーションの構築に集中することを可能にします。

例えば、AI SDK を使用して様々なモデルでテキストを生成する方法は以下です :

import { generateText } from "ai";
import { openai } from "@ai-sdk/openai";

const { text } = await generateText({
  model: openai("gpt-4o-mini"),
  prompt: "What is love?",
});

AI SDK を効果的に活用するには、以下の概念に馴染むことが役立ちます :

 

ジェネレーティブ人工知能

ジェネレーティブ人工知能は、トレーニングデータから学習したパターンから引き出し、統計的に起こりそうなことに基づいて、(テキスト、画像、音声のような) 様々な種類の出力を予測・生成するモデルを指します。例えば :

  • 写真が与えられれば、生成モデルはキャプションを生成できます。

  • 音声ファイルが与えられれば、生成モデルはトランスクリプションを生成できます。

  • テキスト説明が与えられれば、生成モデルは画像を生成できます。

 

大規模言語モデル

大規模言語モデル (LLM) は主としてテキストにフォーカスした生成モデルのサブセットです。LLM は入力として単語のシークエンスを受け取り、次に続く可能性の高いシークエンスを予測することを目的としています。次に続く可能性のあるシークエンスに確率を割り当てて、一つを選択します。モデルは指定された停止基準を満たすまで、シークエンスを生成し続けます。

LLM は、書かれたテキストの膨大なコレクションを使用したトレーニングにより学習しますので、あるユースケースには適切でもそうでない場合もありえます。例えば、GitHub データ上でトレーニングされたモデルは特にソースコード内でシークエンスの確率をよく理解するでしょう。

けれども、LLM の制限を理解することは重要です。親戚の誕生日のような、あまり知られてない情報や存在しない情報について質問された場合、LLM は「ハルシネーション」を起こしたり、情報を捏造する可能性があります。必要な情報がモデル内でどれほど適切に表現されているかを考慮することが不可欠です。

 

埋め込みモデル

埋め込みモデルは、(単語や画像のような) 複雑なデータを埋め込みとして知られる密ベクトル (数値のリスト) 表現に変換するために使用されます。生成モデルとは異なり、埋め込みモデルは新しいテキストやデータは生成しません。代わりに、他のモデルや他の自然言語処理タスクの入力として使用できる、エンティティ間の意味的及び構文的な関係性の表現を提供します。

 

Vercel AI SDK 6 : 基礎 – プロバイダーとモデル

OpenAI や Anthropic のような企業 (プロバイダー) は、独自の API を通してそれぞれ異なる強みと機能を備えた幅広い大規模言語モデル (LLM) へのアクセスを提供しています。

各プロバイダーは通常、自社モデルとのインターフェイスに独自の手法を持ちますので、プロバイダーの切り替えのプロセスが複雑化し、ベンダーロックインのリスクが増大します。

これらの課題を解決するため、AI SDK Core は、プロバイダー間の違いを抽象化する 言語モデル仕様 を通して LLM とのやり取りに標準化されたアプローチを提供します。この統一されたインターフェイスは、すべてのプロバイダーに対して同じ API を使用しながら、プロバイダー間の容易な切り替えを可能にします。

AI SDK プロバイダー・アーキテクチャの概要は以下の通りです :

 

以上